うちの妻は貯金ができる。
これは結婚してからずっと思っていることなんだけど、自分にはない能力だと思う。
もちろん自分も今は昔に比べれば、お金について考えるようになった。
家もあるし、子どももいる。生活費もあるし、将来のことも考えないといけない。
昔みたいに好き勝手お金を使っているわけではない。
でも、それでも妻と比べると、自分はお金を残すのが下手だ。
そもそも若いころなんて、本当にひどかった。
20代半ばくらいまでは、給料が入ったらほとんど遊びに使っていた。いや全部だ。
貯金なんてほぼゼロ。
給料日前にお金がなくなっても、次の給料が入ればまた遊ぶ。
「今月はちょっと残しておこう」なんて考えもほとんどなかった。
欲しいものがあれば買うし、遊びたければ遊ぶ。
当時はそれが普通だと思っていた。
今考えると、よくあんな生活をしていたなと思う。
結婚して子どもができて、さすがにそんなことはしなくなったけど、性格そのものが急に変わるわけではないらしい。
今でも自分は、お金があると使ってしまうほうだと思う。
もちろん無駄遣いばかりしているつもりはない。
でも「これくらいならいいか」というのが積み重なる。
ちょっと欲しいものがあれば買う。
たまには外食したくなる。
趣味にもお金を使う。
そうやって使っていると、気づいたときには「あれ?もうこんなに減ってる?」となる。
一方で妻は、そこが違う。
必要なものにはちゃんと使うけど、残すところは残す。
毎月の生活費やこれから必要になるお金なんかも考えて、ちゃんと管理している。
自分からすると、よくそんなに計画的にできるなと思う。
だから、うちでは家計の管理は基本的に妻に任せている。
とはいっても、家のお金を全部妻に丸投げして、自分は何も知らないというわけではない。
大きな出費があれば相談するし、生活にどれくらいお金がかかっているかもだいたい分かっている。
ただ、家計の舵をどちらが取るかと言われれば妻だ。
これは別に「妻が家計を管理するもの」と思っているわけではない。
単純に、そのほうがうまくいくからだ。
たぶん自分が家計の舵を取ったら、今より貯金が減ると思う。
下手したら数年後に妻から、
「ちょっと、何にこんなに使ったの?」
と問い詰められているかもしれない。
いや、たぶん問い詰められる。
夫婦だからといって、何でも同じようにできる必要はないと思っている。
お金の管理が得意なら、その人に任せればいい。
自分の場合、それがたまたま妻だったというだけだ。
むしろ苦手なことまで「自分もやらなきゃ」と無理に握ろうとするより、得意な人に任せたほうが家族としてはうまくいく。
自分は昔、給料を全部遊びに使っていた。
それが今では、家のローンや子どものことを考えて、貯金や投資の話をするようになった。
そう考えると、自分も少しは大人になったのかもしれない。
ただ、昔の自分を知っているからこそ分かる。
もし今でも独身で、給料を全部自分のために使える生活だったら、たぶん今よりかなり危ない。
「今月はこれだけ貯金しよう」と考える前に、
「これ欲しいな」
が先に来る自信がある。
だから我が家の家計は、これからも妻に舵を取ってもらおうと思っている。
自分は横で、
「これ買っていい?」
と聞く係くらいがちょうどいい。
そして妻に「今月はやめといて」と言われたら、
「はい……」
と財布をしまう。
昔は給料を全部遊びに使っていた男なので、それくらいがちょうどいいのだと思う。

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