子どもがいる家庭ならわかると思うが、夫婦二人で外食する機会というのはほとんどない。
特に小さい子どもが二人もいて、さらに共働きとなると、そのハードルはかなり高い。
誰かに預けるタイミング、仕事の休み、子どもの予定。
いろいろな条件が偶然重ならないと、夫婦だけでゆっくりご飯を食べるなんてまず無理だ。
普段の外食といえば当然家族みんなで行くことになる。
それはそれで楽しいのだが、実際のところはご飯を味わうというより「子どもの世話」がメインになりがちだ。
子どもがこぼさないか気をつける。
途中で飽きないか気にする。
落ち着いて座っていられるかも気にする。
気づけば自分の料理は冷めているし、ゆっくり味わう余裕もない。
子育て中の外食は、だいたいそんな感じになる。
だからこそ、たまにある「夫婦二人の外食」が特別になる。
たとえば、お互いの休みが偶然かぶった日。
子どもが保育園や学校に行っている時間。
そんな奇跡みたいなタイミングが、年に数回だけある。
そういう日は、普段家族では行きづらい店に行くのがお決まりだ。
自分たちの場合は、二郎系のラーメン屋に行くことが多い。
カウンター席のみの店で、回転も速い。
大人二人なら何の問題もないが、小さい子どもを連れていくとなると難易度は一気に上がる。
不可能ではないが、なかなか大変だ。
だから普段は行かない。
その代わり、夫婦二人のときに思いきり食べる。
ニンニクも遠慮なし。
量も遠慮なし。
「今日は好きに食べていい日」という感じで、思いきり食べる。
この前は、バイキング形式の焼きたてパンの食べ放題の店にも行った。
店の中央にパンが並んでいて、好きなものを自分で取ってくる。
小さいクロワッサン、チーズの入ったパン、甘いデザート系のパンなど種類もそこそこある。
しかも焼きたてがどんどん追加されるので、つい取りに行ってしまう。
正直なところ、家族で来ていたらこうはいかない。
子どもが一緒だと、パンを取りに行くのも順番になるし、
「こっちがいい」「それは食べない」など、いろいろ気を配ることになる。
でも夫婦二人なら話は別だ。
「あ、これうまそう」
「さっき焼きたて出てたぞ」
そんなことを言いながら、二人とも何回もパンを取りに行く。
最初は「軽く食べるつもりだった」のに、気づけばテーブルの上はパンだらけ。
小さいパンだからという理由で、つい何個も食べてしまう。
そしてだいたい最後は同じことを言う。
「もう無理だわ」
でもその時間が妙に楽しい。
好きな人と、好きなものを、好きなだけ食べる。
それだけのことなのに、すごく満足感がある。
普段は子ども中心の生活。
それは当たり前だし、むしろ大事なことだと思っている。
でも、たまにこうして夫婦二人の時間があると、やっぱり嬉しい。
毎週あったらありがたみは薄れるかもしれない。
でも、たまにしかないからこそいいのかもしれない。
次はいつ行けるかわからない。
でもまたタイミングが合ったら、そのときはきっと同じことをすると思う。
また二人で外に出て、
また好きなものを、これでもかというくらい食べる。
そして帰るころには、たぶん二人とも言う。
「食いすぎたな」
でも、それでいい。

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