配達の仕事をしていると、「そんなことあるの?」と思われそうな出来事が結構ある。
その中でも個人的にあるあるなのが、
「家はあるのに玄関が見つからない」
という現象だ。
何を言っているんだと思うかもしれない。
でも本当にそのままなのである。
地図を見る。
住所も合っている。
目的の家も目の前にある。
なのに玄関だけが見つからない。
最初の頃は自分の見落としかと思って何周もした。
でもベテランになった今でも普通にある。
最近建てられたような新しい住宅なら、ほとんど迷わない。
玄関の位置も分かりやすく、外構もきれいに整備されていることが多い。
問題は昔からある住宅だ。
長年住んでいるうちに増築やリフォームを繰り返していたり、隣の建物とつながっているような造りだったりする。
最初に建てた時とは玄関の位置が変わっている家もある。
さらに庭木や草木が生い茂っていて、玄関までの通路が見えないこともある。
「本当にここから入っていいのかな?」
と一瞬ためらうような家も珍しくない。
中には建物を一周しても玄関が見つからず、もう一周することもある。
配達員同士で話していても、
「あの家の玄関、分かりにくいよね。」
という会話は意外とよく出てくる。
住んでいる人からすれば毎日使っている玄関だから何も思わない。
でも初めて行く配達員にとっては、ちょっとした迷路みたいなものだ。
もちろん、お客さんが悪いわけではない。
家にはそれぞれ事情がある。
リフォームした結果そうなったのかもしれないし、土地の形の関係かもしれない。
だから文句を言いたいわけではない。
ただ、配達員目線では「玄関探し」が仕事の一部になっていることもあるという話だ。
今日も地図を見ながら、
「家はある……玄関はどこだ?」
そんなことを思いながら配達している。

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