自分はこの仕事を始めてから、良くも悪くも身体にいろいろな変化が出た。
まず一番わかりやすいのが、筋肉がついたこと。
冷静に考えてみてほしい。
一日中トラックを乗り降りして、荷物を持って歩き回る。しかもその荷物は軽いものばかりじゃない。米、水、家電、家具……とにかく重いものも多い。
これを毎日やる。
そりゃ身体も変わる。
特に腕はかなりたくましくなったと思う。
気がつけば腕の太さも前より増えたし、重い荷物を持ったときの「余裕」みたいなものも出てきた。
とはいえ、いわゆる筋トレとは違う。
ジムみたいに限界まで追い込むわけでもないし、特定の部位を集中して鍛えるわけでもない。
だからボディビルダーみたいに筋肉が大きくなることはない。
でも、確実に「使える筋肉」はつく。
日常生活で重い物を持つときなんかも、昔より明らかに楽だ。
ああ、身体が仕事仕様になってきたんだなと感じる。
ただし、いいことばかりではない。
むしろ、問題はここからだ。
この仕事を長くやっていると、だんだん身体のあちこちにガタがくる。
一番多いのはやっぱり腰だと思う。
重い荷物を持つ、前かがみになる、トラックの乗り降りを繰り返す。
この動作が毎日続く。
気をつけていても、ある日ふとした瞬間に「やったかも」と思うときがある。
ちょっとした違和感だったり、重い痛みだったり。
自分も何度か腰を痛めたことがある。
完全に動けなくなるレベルではなかったが、仕事中に「これはまずいな」と感じたことは正直ある。
そして腰だけじゃない。
膝、肩、指。
地味なところが少しずつ消耗していく。
例えば、荷物を持つときの指。
ダンボールを掴む、持ち上げる、支える。
この動作を一日何百回も繰り返す。
最初は何ともないが、長く続けていると指の関節が痛くなることもある。
膝もそうだ。
階段の上り下り、車の乗り降り。
これも回数がとにかく多い。
若いときは気にならない。
でも年数が経つと、少しずつ負担が積み重なっていく。
筋肉はつく。
でも同時に、身体は確実に消耗していく。
この仕事をやっていると、そういう現実を実感する。
とはいえ、個人的にはこの仕事で身体を動かすのは嫌いじゃない。
一日デスクに座りっぱなしより、自分には合っている気もする。
ただ一つ思うのは、身体は資本だということ。
無理を続ければ、いつか必ずツケがくる。
だから最近は、少しでもケアすることを意識するようになった。
ストレッチをしたり、無理な持ち方をしないようにしたり。
地味だけど、こういう積み重ねが大事なんだと思う。
宅配ドライバーの身体は、毎日ちょっとずつ削られている。
でも同時に、毎日ちょっとずつ鍛えられてもいる。
この仕事は、そんな不思議なバランスの上に成り立っている気がする。

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