前に雨の日の配達について書いたことがあったが、今回は台風の時の配達について書こうと思う。
たまに「台風の日って配達は休みなんですか?」と思われることがある。
でもこの仕事柄、台風だから配達ありません、とはならない。
暴風警報が出たから終了、なんてことも基本的にはない。
いつも通り朝が来て、いつも通り仕事が始まる。
もちろん地域や状況によって違うとは思うが、自分の中では暴風警報くらいでは日常の延長という感覚だ。
ただ、普段と全く同じかと言われたら全然違う。
気を遣う量はいつもの何倍にもなる。
まず一番は雨だ。
普通の雨ではない。
視界を邪魔するレベルの強烈な雨がフロントガラスに叩きつけられる。
撥水加工していても正直限界がある。
ワイパーを最速にしていても見づらい時はある。
しかもそんな状況でも荷物は届けないといけない。
当然速度なんて出せない。
普段以上に周囲を確認して、歩行者や自転車、車の動きにも神経を使う。
少しの見落としが事故につながる可能性があるからだ。
そして次に気を遣うのが荷物。
これは毎回本当に悩む。
もちろん濡らしたくない。
できるだけ濡れないように工夫もする。
雨避けを使ったり、置き方を考えたり、自分なりに努力はしている。
でも正直、台風レベルになると限界もある。
トラックから玄関までのほんの数秒でも、一瞬でびしょ濡れになるくらいの雨量の時もある。
申し訳ないと思いながらも、自然相手にはどうしようもない部分もある。
そして個人的にかなり怖いのが風だ。
これが本当に危ない。
トラックのドアや後ろの観音扉は普段なら何ともない。
でも台風の強風では話が変わる。
急に風を受けて勢いよく開いたり持っていかれたりする。
もし人や車に当たったら大事故になる可能性もある。
だから開ける時はかなり慎重になる。
少しだけ開いて風の向きを確認したり、手でしっかり押さえたり、普段は無意識でやっている動作にもかなり気を遣う。
あとは路面状況だ。
これも台風特有だと思う。
冠水していたり、道路に枝が落ちていたり、倒木していたりすることもある。
普段通っている道でも急に危険な場所になる。
水が溜まっている道路なんかは見た目以上に深いこともあるから怖い。
「まあ大丈夫だろう」が一番危ない。
2年前の大きな台風の時もかなり大変だったのを覚えている。
周りの会社や関連会社は早めに帰社していた。
Y社なども次々と早退していた記憶がある。
そんな中、うちだけ普通に配達していた。
道路は水がかなり溜まっていて、正直トラックが水没するんじゃないかと思うくらいだった。
それでも夜まで普通に配達していた。
今思えばなかなかすごい状況だったと思う。
笑い話みたいに言っているけど、その時は笑えなかった。
もちろん荷物を待っている人がいるのも分かる。
配達が必要なことも分かる。
ただ個人的には、暴風警報が出るくらい危険な状況なら、もう少し従業員の安全を第一に考えてくれる会社になったらいいなと思っている。
「無理するな、帰っていい」
そう言ってくれる方が、働く側としてはありがたい。
荷物も大事だけど、人がいなければ仕事は回らない。
安全に帰ることも仕事の一つだと思う。
台風の日の配達は、普段の配達とは全く別物だ。
見えないところで、いつも以上に気を張りながら配達している人もいるということを少しだけ知ってもらえたら嬉しい。

コメント