配達の仕事をしていると、外ではわりと強く見える。
重たい荷物を運んで、クレームを受けて、時間に追われて、
「大変だなあ」と言われることも多い。
でも正直に言うと、
一番しんどいのは外じゃなくて、家に帰ってドアを閉めたあとだったりする。
仕事でうまくいかなかった日。
クレームで気持ちが削られた日。
自分が情けなくて、何も話したくない日。
そういうときに、
何も聞かずにごはんを出してくれる人がいる。
変に励ますわけでもなく、
でもちゃんと横にいてくれる人がいる。
それが、うちの奥さんだ。
この家には、小学生の息子と、まだ小さな娘がいる。
正直、子ども2人を見ながら生活を回すのは、配達よりハードだと思う。
洗濯物は一生終わらないし、
ごはんは作った瞬間になくなるし、
誰かが泣けば、誰かが呼ぶ。
それを、毎日ほぼ休みなく支えている人がいる。
自分が外で「今日はしんどかった」と言えるのは、
その裏で、もっとしんどい役割を担ってくれている人がいるからだ。
弱ってるとき。
本当に困ったとき。
自分が自分でいられなくなりそうなとき。
奥さんは、必ず寄り添ってくれる。
説教もしないし、見捨てもせず、
ただ「大丈夫だよ」っていう顔でそこにいる。
たぶんそれが、一番すごい。
配達の世界では、ミスをすれば責められるし、
できなければ切り捨てられる。
でもこの人は、
できなくなった自分のことも、そのまま受け止めてくれる。
自分は外で働いているだけ。
この家がちゃんと回っているのは、
奥さんの存在がいちばん大きいと思っている。
この人がいるから、
自分はまた翌日トラックに乗れる。
この人がいるから、
クレームを受けても、荷物を運び続けられる。
大げさじゃなく、
奥さんは、自分の人生の全部みたいな存在だ。
子どもたちが笑っているのも、
この家がなんとなく回っているのも、
ぜんぶこの人のおかげだと思っている。
今日も、何事もなかったみたいに家が回っている。
その裏で、誰がどれだけ頑張っているかを、
自分はちゃんと忘れないでいたい。
そして明日もまた、
この人が待っている家に帰るために、
トラックに乗る。
それだけで、たぶん十分だと思っている。

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