S川に残る、昭和すぎる風習の話

不思議なもので、
S川にはいまだに「昭和」が残っている。

派手に怒鳴られるとか、理不尽に詰められるとか、
そういう分かりやすい昭和感は、正直そこまで多くない。
昔に比べたら、かなり改善されてきていると思う。

でも、
静かに、当たり前の顔をして残っている風習は、確実にある。

一番わかりやすいのが、根性論だ。

忙しいのに休憩を取らない。
それを「頑張ってる」「気合が入ってる」と評価する空気。
さらに厄介なのが、
「今日は休憩取れんかったわ」
と、わざわざ人に言う文化。

個人的には、休憩が取れていないというのは、
「私は要領が悪いです」
と言っているのと、あまり変わらないと思っている。

もちろん、現実的に休憩が取れない日もある。
イレギュラーが重なることもある。
それ自体を責めるつもりはない。

でも、それを美徳にしたり、
わざわざ周りにアピールするものではないはずだ。

次に、サービス残業。

昔よりはだいぶマシになった。
表向きは禁止されているし、
会社としても改善しようという姿勢は感じる。

それでも、完全になくなったかと言われると、正直そうでもない。

多いのは、
「本人の意思でやっていることになっている残業」だ。

係長クラスや、
まだ立場が弱くて「ノー」と言いにくい若手が、
上からさりげなく仕事を振られ、
断れないまま時間を使っている。

誰かに命令されたわけじゃない。
でも、空気的に断れない。
この構図、かなり昭和っぽい。

自分は、サービス残業は絶対にしないと決めている。
ズルをしたいわけじゃない。
ただ、続かないと分かっているからだ。

無理を前提に回る仕事は、
いずれ誰かが潰れる。

そして、もうひとつ。
個人的にかなり昭和だなと感じているのが、
ルールの曖昧さだ。

安全運転をする、
荷物を大事に扱う。
そういう根本の部分は、もちろん変わらない。
そこは絶対に守るべきことだ。

でも問題なのは、
名前もつかないような、すごく細かい部分。

出勤したら、
「今日から持ち戻りの代引き荷物は置き場が変わりました」
「○○班は点呼、今日からこの時間ね」
そんな変更が、わりと頻繁に入る。

どれも致命的ではない。
正直、大したことじゃない。
でも、
「なんで?」
と思うくらいのペースで、ちょこちょこ変わる。

さらに厄介なのが、
これらの変更がほとんど口頭でしか共有されないことだ。

休みだった社員は、当然知らない。
普通に出勤して、今まで通りに動く。
すると、
「なんでそれやってないの?」
と言われる。

本人は「???」だ。
自分も、このパターンを何度も経験している。

言われて初めて知る。
でも、理由の説明は特にない。
「今日からそうなったから」
それで終わり。

一般的な会社がどうかは分からない。
でも、以前勤めていた会社では、
少なくとも
「誰がやっても同じ結果になる」
ように、要領書や手順書が整備されていた。

細かい変更があれば、
文書が更新され、
それを見れば誰でも同じように動ける。

今のやり方は、
人の記憶と空気に頼りすぎている。

知っている人は正解。
知らない人は間違い。
でも、その差は能力じゃない。

ただ、
「その場にいたかどうか」
それだけだ。

昭和の風習というのは、だいたい
本人の善意や責任感に寄りかかっている。

文句を言わず、
休まず、
言われたことを断らずにやる人ほど、
評価されているように見える。

でも実際は、
そういう人に負担が集中しているだけだったりする。

昭和のやり方が、すべて悪いとは思わない。
真面目さや責任感は、今でも大切だ。

ただ、
我慢を前提にした働き方や、
曖昧さを放置する文化は、
そろそろ手放してもいい。

S川は、少しずつ変わってきている。
でも、まだ途中だ。

違和感に気づける人が増えたら、
現場はもう少し、楽になる気がしている。

コメント

タイトルとURLをコピーしました