不在は、たぶん配達員をやっている限り一生ついて回るテーマだと思う。
正直な話、不在がなかったら僕たちの仕事はどれだけスムーズに回るんだろうと、何度も考えたことがある。
時間指定で荷物を持って行って、ピンポンを押して、それでも反応がない。
その瞬間、心の中にいろんな感情が浮かぶのは事実だ。
「え、指定してたよね?」
「あと5分待ったら来るとかない?」
そんなことを思いながら、もう一度インターホンを押す。
でも、わかっている。
相手にも事情がある。
仕事で急に呼ばれたかもしれないし、子どもが熱を出して病院に行っているかもしれない。
誰も好きで不在にしているわけじゃない。
実は、自分自身もそうだ。
どんなに気をつけていても、まれに不在票を入れられてしまうことがある。
買い物に出た数分の間だったり、子どもを風呂に入れているタイミングだったり。
その紙を見たときの、あの何とも言えない気持ち。
「申し訳ないな」と思うのと同時に、「タイミングって残酷だな」とも思う。
最近はもう、
「仕事なんだから、不在でも仕方ないよね」
と自分に言い聞かせている。
というより、そう割り切らなきゃやってられない。
不在にいちいち感情を引っ張られていたら、1日が持たない。
本音を言えば、
全部が置き配で済めばいいのに、と思うこともある。
箱を置いて、写真を撮って、それで終わり。
再配達もなくて、客も配達員もストレスが減る。
そんな世界になったら、どれだけ楽だろう。
でも現実はそう簡単じゃない。
対面で受け取りたい人もいるし、
高い荷物や大事なものは置き配にできないこともある。
だから今日もまた、不在票を持って街を回る。
少しモヤっとしながらも、
「誰かが悪いわけじゃない」
そう思い直しながら。
不在は面倒くさい。
でも、不在の向こうには、それぞれの生活がある。
配達員であり、父親でもある今の自分は、その両方を知っている。
不在は減らないし、たぶんこれからもなくならない。
だから今日も、深く考えすぎないようにして回っている。

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